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118. 茅野亮の怒り


1991年以降たびたび、社長がすんごい怒った、とかはなしを聞き出した。

バブルが陰りを見せ、どの店も売り上げが落ち始めてきても、みんなはさほどなんも思わなかった。前年比の数字でとやかく言われても、現場ではコントロールするだけで、客数を上げる能力がある店長はいない。そういうなか、さまざまな問題が見えてくるんだ。

言うまでも無く、ぼくは茅野亮社長は尊敬するし、大好きであった。。
その昔は、社長すごい伝説が伝わってきたが、なにしろ、店数が増え、組織がでかくなるとなかなか、各部門にまかしていちいち決済や決定はしない。
口出ししないで任せておこうと思われたのか、真実はわからないが・・。
ひさびさに、社長臨店があった。まるで殿様行脚である、来られるまえにおつきの社員が何点か注意をしてなおさせる。
それが、レジの上に点いている、人センサーであった。

松下の製品であったとおもう。レジの上と、入り口に二つつけてあり、サービスエリアで
ぴよぴよ、なるのだ、ひとりで営業してるときにお待たせしないで動けるように。
そして、レジの上につけてあるのが問題があった。というのも、その前をとうり、トイレに
行かれるお客様がいれば、鳴るのだ。レジの前なら、すこし立ち止まるので鳴り続けるがそのたびに後ろからまえに出なくてはいけなくなり、九州事業部のある人が考え出して、なんと、上に向けたのである。それで、レジの上野センサーを無効にし、来店だけに反応するようにした。まあ、お客さんがこられて、案内を早くするためのコンセプトではあったが、
これに社長が気がついた。上を向いてる店もあり、下を向いてる店もある。
そして、それは、金がかかっているのである。わざわざ、そのセンサーを無効にしているのを見て、怒り出した!なんでだ!なぜだ?
おつきの人々は営業のひとではないのし、各店によって上を向いたり下を向いたり
してるのを、そのたびに社長は見るのであった。
だから、僕の店は上に向けていたので、店長、はやく、あれを下に向けてください。
社長が怒ります。といいだした。
ぼくは素直に下を向け、そのあとにきた社長がにこにこと、
うん、下向いてる、売店だなも綺麗だな、清掃もきちんとできてるね、店長!
と、ご機嫌に帰っていったのである。
そして、帰ったのを見届けると、再び、センサーを上に向けたのである。
数ヶ月して、やはり、本部でも問題あったらしく、下を向ける徹底通知が来た。
考えてみると、殿様の機嫌をとっているまわりのひともたいへんであるが
そこに、問題点を発見できなかった社長も、回りもいけなかったのである。
センサーの誤動作、そして、レジの上も入り口の上もおなじ音だから
余計ややこしいのである。
いま、改善されたようであるが、こういう愚一の積み重ねが少しずつ起き始めていた。

冷凍製品を入れることが多くなってきた、ピザは店で胴からつくっていたが
それも冷凍になり、まずくなった、
スパゲッティも湯がいて、置いておき、それをつかう。その麺も冷凍になった。
問題は、その冷凍麺をもどす機械であった。スチーマーといわれる機械で
コンプレッサーでわざわざ、蒸気を作り送り込むというでかい機械であった。
もう何年も使っていて、全店入っていたのだが
あるとき、スパがそんなに、熱くないことをやっと、誰かが問題にし始めた。
昔はフライパンで炒めていたのが、スチーマーで戻してあえるようなかんじで
実は、そのスチーマーはまったく役に立たず、温度が低いのであった。
社長は、キッチンに入り、みんなを集めて実験した、自らもやった。
温度を測る、40数度、何回やっても冷たい・・。
「誰が!こんなもの導入したのだ!」
社長は怒りまくったという。
ぼくは経営者として言えば、社長が誰かに任せて確認しなからですよ、
あんたがわるいのですよ! と、いえる。
でも、あのとき、そこにいれば、おろおろして、なんとか機嫌を戻してもらうように
考えたろう・・。
この話はまたぎぎで、真実かどうかわからないが
そういう部分を含めて凋落の予兆が出ていたのかもしれない。
100店規模の頃なら、みんなで意見を言い合い、そして、社長はあさまでそれに
答えるだろう。
500店をこえ。700店を超え、その仕事内容は膨大なのだろう。
資金や資産の管理もやらないといけないし、全体の数字を見ないといけない。
数値管理、アウトプットマネジメントと、出てくる数字で分析し
数字だけを見ていても、現場のささいな問題は現場でしか見つけることが出来ない。
そして、本部のうわさも聞こえだした、刃向かったり、大きなミスをしたら
すぐに飛ばされる。だから、要するに回りをイエスマンで固めて、ごますりばかりで
やると、気がつくと戦国時代のように、信長に首をはねられるのだ。
要するに三流の私立大学卒業生を採用し続け、現場ですりこぎでおろすように
使ってると、問題は問題で無くなり、目標や夢なんてものを見失うのである。