樽屋は灘五郷には2000軒あった

灘の酒を江戸に下る「樽廻船」という話になり、
もともと江戸時代には秀吉が築いていた、流通ルートがあり、菱垣廻船という
千石舟が日本の各地を産物をのせて回遊していた。

菱垣廻船は、名前とおり 船体に、ひし形の垣根めぐらしているのです。

(1860年代の弁才船 出典:Wikipedia)

菱垣廻船には装飾として船の側面に檜の薄板や竹でできた菱垣格子が付けられており、樽廻船は菱垣廻船に比べて少し深さがあり船倉を広く取ってあるのが特徴です。しかし、ここで疑問です。なんで、ひし形をつけてるの?飾り?水しぶきを抑える?


 樽廻船というのは発想としては今のコンテナ船の今元であり、
いかにできたての酒をすばやく載せて、江戸の送るかということで
樽廻船が発明されていた。
 その樽を作っていたのが、うちの先祖で、その屋号が「長七」ということです。
樽というものは吉野杉で作られていて、釘などを一本もつかわず、
竹で絞めてできるのですが、その杉を買い付けに奈良の山奥までいったそうです。

 

そして、杉を乾燥させて、円形に整形する作業が、丸かんなという道具の発明に
よりできたのです、司馬先生によると、不確かであるが、灘のどこかで発明されて
桶にふたをし、頑丈にさせ、詮をし、上からわる、鏡わりや
下の詮からだし、陶器の徳利をかして、販売するという方法がとられた。

丸かんなというしろものが今どうなっているかしらないが
おそらく、三木や西脇あたりで作られてかんな職人がいたんだとおもう、

で、司馬さん話によると、
樽屋ふぜいが、江戸での灘酒の販売好況で売り上げをのばし
えらそうに、していた。ということを書いていた。どこの本か忘れた。街道をゆく だったか

そもそも、ぼくは、樽屋のことはまったく興味がなかったんですが、歴史小説の司馬遼太郎先生の大ファンで、全部読み漁ってました。時はシバブームでした。そんな中、21歳頃、高田屋嘉平の「菜の花の沖」という小説が出てきて、その中で灘の酒の話が出てきて

興味津々で読んでおりました。

話は変わって

昔は、ビンもなく、紙パックもなく、樽という輸送手段が重宝され
醤油もすべて、それでおこなわれていた。
江戸の昔の店で、酒と食べ物を安くうりさばき、大繁盛したという瓦版をみたことがある、
その秘密は、酒をたくさんうって、そのあいた樽を再び、売って利益をとる、という秘密があった
まさにSDGS持続可能な江戸時代。そして、その樽は竹を巻きなおせば何回も使えるという代物。

https://library.kwansei.ac.jp/archives/nadashu/seisan/10.html

上は 樽廻船の話。関学の先生の研究のサイト、樽廻船についての資料、内容が豊富。この大学の図書館には驚くべき歴史資料があつまっています。故柚木重三教授と故柚木学名誉教授が親子二代で収集されたものが2000点以上もあるのです・。あわせて研究もすごく歴史的な価値と分析は明晰なものです。

江戸時代が関が原の戦い、大坂夏の陣で、平和の世の中になるが、幕藩体制のなか、どの藩も米本位性であるがゆえ、平和の世の新田造りにあけくれるのです、結果的にどうなるかというと、米の相場が落ち、価格割れをし、どの藩も財政が苦しくなる。なんでも幕府の許可がおりないとできない。それで、コメ余りは酒造りを呼び起こしてゆくのです。もちろん、飢饉は何度も江戸時代におこり、火山の噴火も大地震も起きます。

話変わって、神戸市立御影小学校という斎藤喜博先生指導の氷上正校長時代に幼少をすごしました。その話はまた違う機会にぜひ、友人たちと話してると、「うちの家も樽屋やった」というのが三人もいました。二人は頭がよく、国立大学でした。そうか、このどっちかの先祖が樽を発明したに違いないと妄想してました。なにしろ、研究員で特許をとるような人だったからです・。しかし、なんで、吉野杉なのだ。杉の木は高い。松の木はだめなのか、近年、スギ花粉健康被害でスギは嫌われていますが、スギのかおりはとてもいいものです・。杉の葉油には「低沸点テルペン類」という頭をスッキリさせる効果のある成分が多く含まれますが、杉の材油には「高沸点テルペン類」という気分をリラックスさせる効果のある成分が多く含まれています。 この材油成分は「セスキテルペン」といい、吸い込むことで脈拍が下がり、睡眠時と同様の脳波になるという測定結果が出ています。スギの香りは木材と同様に抗菌や防虫の作用が期待できるのです。

吉野杉の歴史は古い。室町時代頃から始まったとされます。形状的いうと、節穴がすくない、穴があると漏れてしまいます。年輪の幅が短く、固いのです。わざと成長を遅らせて年輪の幅を小さくするように育てるのです。杉の役割には防腐作用もあるという驚くべきことです、なおかつ、化学作用です。海外でもワイン、ウイスキーなどには専用の樽があり、その化学作用が近年になって解明されています・。

杉の樽の化学作用。そして、樽廻船で20日間海で揺られる。「なんで、こんなにうまいのか?」と、江戸時代の江戸の人は思いました。

わざわざ、関東でできた酒を、船に乗せて、海の出て揺らしたほどです。富士見酒の由来はここにあるようです。「そうか、富士の山をみてるからうまくなったか」と、思ったんでしょうね・・。

2024/12/05 加筆訂正 ないしろ、素人ですので、信じないでください。ご意見などは メールで osatani@osatani.com

2024年12月03日