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いつも、大川原さんは、
「たのむよ、こいつ面倒みて」
といって、ポンコツの社員を僕の店に入れる、まあ、真面目なんですが、やはり、オープンメンバーの生きのいい社員とは違う、いわくつきの社員、
一回、失踪して、なんとか戻って、大騒ぎのやつ、
なんでも、「佃にいくのがいやだったとか、登校拒否のように・・」それでうちにきて1年すこし、
そして、また、今度十三店に大川原さんが異動させるという。しかし、また、とんずら
異動先の店から電話かかってきた、O店長から、
また、大騒ぎになり、家に何度も電話して、奥さんが泣きながらでて、
「そこにいるのなら、出してください、本人を!」
本人は家に隠れていて、
「なんで、あんな、店に行かなくてはいけないんですか?」とか言い出した。ぼくはこれは精神的なものか、と思い、なんとか、話をして説得した、とりあえず、大川原さんと面接をしなさいと、
大川原さんは10時間も話をして、結局、尼立に異動。佃といい十三といい、Nさんがらみか・。
そういうことがあり、なぜか、
松田さんは、その悲惨を思われる十三に赴任。
ガスト転換後、売り上げは落ち、すかいらーくメンバーは一人また一人去り、ユニットマネジメント体制を崩壊させ、労働時間はつかえず、二本三本で、満席を回す。ぼくもミッドナイトが採用できず、
社員二人しかいないのに、二人でラストをする日があったりした。
しかし、数か月後、大川原さんはぼくに言った。
「もうね、松田さんの店、ワンマネするんだよ」
驚きだった、あれだけ悲惨な店を数か月でワンマネに、まさしく、最後の松田マジックだった、
ぼくは聞いた、どうやったんですか?
「ひとりひとり、話をしただけだ、どうしたいのか、どうしとほしいのか?」
ほとんど辞めずに再生させたのである、野村監督のようなものである、深夜メンバーは万札五千円札を抜くのが多くて、こまったとか、前の店長はいっていたのに・・。
そして、半年もたたないうちに、西宮の業態変更のすかいらーくグリルのマネジャーになった。
まあ、それでも売り上げは回復せず、グリルは閉店した。閉店時に、不用品回収でいくと、
戸城さんと松田さんはふたりで話をされていた。
「もう、かるのか?はなしをしよう・・」
松田さんに止められたが、用事がありますと、すぐに帰った。
ぼくもそのころ、やめる決心をつけていたので
見破られないように逃げたのだ
まつださんは2021年春に旅立った。 ご冥福をお祈りします。松田伝説一応完。
113. 番外編 松田マジック 005