店の者にどういう風にいうか、考えて上で、掲示板に事情を書いて辞めると宣言。
みんなは、驚いていた。
あちこちで噂になり、電話が相次いだ。

店のほうは安定し、人もいらないというほど増え、時給を上げたせいと
デニーズが出来て、暇になり、仕事が楽になったせいもある。
なによりも、新人が先輩のフォローで仕事できる環境ができたらでもある。
当初は、いきなり戦場に、新人がミスをして怒られたり
忙しさにめげてしまったり、
それと、若い女の子にちょっかいをかけるやつがいたのだが
ひとりはM事件で自滅し、もうひとりは辞めた。
これらで、嫌がらせもなくなり、辞めなくなった。

やっと、肩の荷がおりたのだ。
気がつくと。鈴木店長(1990-1994)

を越え最長になっていた。考えてみると、誰も評価してくれなかったが
自分のなかではある程度責務を果たしたと思った。
辞め時である。


その鈴木店長は、店長を辞めて、売店の仕事をしていた。
人事部と長い間話し合い、決まったようだ。
鈴木さんは、店に来て、話しかけてきた、
「辞めるそうやな・・。」
「はい、お世話になりました、独立しますので」
「ほんま、俺より長いのちゃうの、夢野、だからいうてたんや、
何回も何回も、夢野は難しいからはやいこと異動させないと
辞めるとおもう。」
「まあ、そんなこと言っても、誰も耳を貸しませんよ」

しかしながら、僕が辞めて継ぎの店長が来て、数年でころころ店長は替わった。
いったい、ぼくのあの激務はなんだったのか、自問自答する日々が20数年続くのだ。

この項終わり。
126. 夢野 35