15. 三宮店、 深夜の戦い 1

 まだまだ、三宮の戦いは続く。
高見店長は、数字には強く、数字に強いというのは、要するに
コストコントロールであり、ほぼ、人件費 食材ロス率である。
この二つを押さえれば、問題なく利益は到達する。
客数はどんどんあがっていた。
ほっておいても、お客さんは来るのだ、いい時代だ。
月末棚卸しは、必ず、高見店長が出てきて、社員とふたりで
在庫を確認、カウントする。
やはり、これはいまおもえば、大事だった。
あれがおおい、これが少ない。
とか、あるからだ、当時はストコン導入前だったので
丁度、かんばん発注だったので、
白かんばんが平日、青かんばんが土曜日
ピンクのかんばんが日曜日祭日で
それぞれ、ワンロットにひとつのカードをつけて
そのカードが、かんばんと言われる代物で
このカードを保存してお見せできないのが残念ですが
この管理がとても大変で、
店で保管してるときに、かんばんをつけ
使用するときに、はずし、発注ポストにいれ、
そこから、配送トラックが来るまでにかんばんを
番号ごとにまとめる袋のようなものに仕分けし
それを配送センターにおくり、そのカードをみて
配送センターは翌日の配送にあわせ、品物を
ロールボックスに詰め込んで、配送車にまかせる。
といった仕組みであった。

ランチと比べ、深夜メンバーは安定していたが
土曜日の夜は満席が続き、
忙しかった。
「おさたにさん、レジのところで、若い人が
釣り銭をもらってない、もらいにきた、いうてます」
そう、バイトの大学生がぼくを呼びに来た。

レジの横のソファーに若い革ジャンの男がいて
ぼくは声をかけた
「どういうことなんでしょうか?」

「昨日、釣り銭をもらってないんです」

「レシートありますか?」

「いや、ないんですが、昨日すぐに電話したら
今日、取りに来るように社員のひとがいったから
来たんです」
ぼくは、不思議に思い、昨日までの日報を読んだり
みんなに聞いても、わからない、といわれ、
忙しかったので
「いくらですか?」

「3250円です」

と、いわれて、何を思ったのか、自分の財布でたてかえてわたし、名前も連絡先もきかず、かえしてしまった。

日報に報告し、翌日、社員店長に聞いたら
「そんな話はしらない、おまえは、だ・ま・さ・れた!」

と、がっくり、きて、金はかえってこず、
店長は釣り銭詐欺現るで、事業部に報告し
翌週の、全店舗通知文書がまわった。
だまされて本当に腹が立ったが、これ以降は決していろいろ
な詐欺があったが、用心深くなった。

ある日。コーヒーカップとソーサーがリニュアルになり、
色は白で、軽くなったが、滑りやすいものとなった。
前のほうがよかったのになあ・・
と、深夜のフロアーの大学生たちとはなしていた・

そのはなしていたやつが、ラスト間際に
あつあつのコーヒーを若者三人にぶっかけた!

クレーム発生である。ラストもうすぐ閉店のときだった。

急いで、ぼくは呼ばれ、謝りにゆくと、
若い男の子三人で、
服と鞄にかかり、手もやけどしたという。
やけどしたから、どうしてくれるんだ!
服もどうshてくれるんだ!
わめきだした。

とりあえず、ぼくは、服とかばんはあずかることとした。

「やけどしたから、車を運転し、家までおくってくれや」
そう、お客さんは言い出した。

ぼくは、悩んだ。店の閉店もあるし、運転してもいいが
帰りは夜中だし、
クレームを起こした大学生は車で来てくれてるので
後ろからついてきてもらいことにし、
キッチンはバイトのこに締めて帰るようにいい。
レジ締めは帰ってきてからやるのでかぎ締めて
かえってくれるよういい。

彼らの車のもとへ、いった。
車は驚くべきでかい外車で、見たこともないやつだった。
「この車、家買えるほどの値段やねん」

僕は、内心まずい、どうしようか、悩んだ。
タクシーでおくったほうがいいので
「タクシーにしませんか?」
というと、
「翌日、車いるからなあ、あかん」

友人が運転すればすむことなのに
どうしても、僕に、運転をさせたいようだ。
ぼくは、腹をくくって、運転することにした。
マニュアルで、クラッチがはいりにくく、半クラになると
「おいおい!」と、文句をいいだす。

その三人組の家々に送ってゆき、
最後は、その外車のクレームの男の家になった。
これまた、え、こんなところに家があるの?
という、山道を上り、だんだんとのぼると
でかい家にたどり着き、やっと、そこで
解放された。

ばいとの男の子の車は山の中腹で待機し
ふたりで店にかえると、もう5時過ぎだった、
一応、業務だったので、彼には時間はつけるように
以後気をつけてください。といい、
本人も居たく反省していた。

翌日、近所のクリーニング屋に服を出して
その服はなんとかなったけど、
舶来物の高そうな鞄はどうすればいいか
悩んで、店長に相談した。店長は事業部にもっていき
吉沢さんと何時間か相談し、
結局、弁償しないという方針で本人と面談し
なんとか、クレームはおわった。

それから、必ずぼくは、フロアーの新人を教えなら
コーヒーの提供の仕方。サービスの仕方を
徹底的に教えた。

しかしだ、そのあと数年後、広島五日市で
そのときはぼくは弁明すればキッチンメインの新店で
フロアーノータッチでしたが、
深夜の大学生が、10名ほどのグループのコーヒー提供で
またしても、男性にコーヒーをかけてしまい。
ぼくは、たまたま、帰宅しようとしたところ
フロアー社員がクレーム処理できず、
押し問答を続けていた。

その頃は頻発する、しるものをかけてしまうクレームで
その服をこちらであづかって行います。という方針で、
金銭を渡してはいけない、となっており、
染み抜き業者もお抱えにしており。、

かけられたお客さんは、文句はいわないのだが
横にいるリーダーらしきおばさんが、おこりだし。
「金をよこせ、クリーニング代をだしなさい」
と、言いつつづける始末。、そこで押し問答になっていた。
「だせません、こちらで、あづかります」
といっても
「だめだ」
「できない規則なんです」
といってもだめ、
ぼくがでてゆき、同じように返答したところ、
おばさんが、
「それなら、あんた、払いなさいよ!!」
と、ぼくに言い出した。
ぼくは、頭にきた。しかし、早く帰りたい。
早く帰りたいのは、かのじょを、またしてるからであった。
「いくらだせばいいんですか?」
「2000円でいいよ」
よくよく考えれば、シャツだったので、そんなにはかからない。
しかし、ぼくは、2000円で早く帰れるならいいとおもい。
なけなしの財布から2000円払った。
いま、思い出すと愚行であった。
あとで、聞くと、虚さんとう系のグループであったらしい、
その2000円のうち、おそらく、関係の無い
おばさんは、1000円をもらったに違いない。
僕のお金を脅し取り、いま考えても腹が立つ。

それから、数年後、店長になったばかりのころ
家に電話がかかってきた。
店からだ、
「あの、お客さんにコーヒーをかけました!」
「ええ、それで、やけどされた?服は?」
「ダスターで慌てて拭いて、あやまったら、許してくれました」
「そうですか、これからは気をつけてください」

しかし、そのバイトの女性は、そのクレームのショックで辞めてしまった。
ミスは必ずする。しかし、ミスをしないためにどうするか、
どう教えるか、どう対処するか、そういうことが
大切であるが、

ぼくがアル土曜日にサンデーサンでパフェを頭から
ぶちかけられたこともあった、あれは本当にはらがたった。
かけられた人の気持ちもわかる。

「そんな持ち方はだめだ、」
と、何回言ってもわからない神戸女学院のお嬢さんバイトは
トレンチの手前に、麦酒をのせ、お客さんの頭に
優勝ビールかけをしてしまった。
あのときは本当に驚いた、注意してもできないのである。
ぼくは、すっとんでいき、タオルと僕の着替えのワイシャツを
もっていき、控え室で着替えてもらい、平身低頭し、
お客さんは、怒らなかったし、金銭も要求せず
本当にいいお客さんだったのだが、
その神戸女学院の女は
「もう、私には向いてませーん」
と、いって、仕事を放棄し、逃げて帰った。
逃げ帰るやつもなんどもみたが、
逃げ帰るまえに、反省はないのか、と、いつもおもったもの

この項終わり。



今はなき(旧)すかいらーく、その会社にぼくは費やした時間と情熱を思い出させずにいられない。

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