67. 伊丹瑞穂 15

何回もこの話を書いたかもしれないが、
この話は忘れることができない。

深夜0時半ごろ、ワンルームで寝ていると、店から電話あり
社員の福久から
「キッチンのナイトの女の子の服が無い、といってるんですよ」
ぼくは寝ぼけていた。
「は?服が無い?」
「いや、皮のジャンパーがない、といってるんですよ」
「えええ、なんで、無いの?」
「盗難されたみたいで?」

ぼくは完全に寝ぼけていたし、深夜に理解できなかった。
「どうしたら、いいんでしょうか?」
と、聴かれ即答し、
「ぼくが弁償するわ、いくらするか、聴いて?」
「15万だそうです!」
「わかった、明日銀行で降ろしてもってゆくわ・・・」

と、いうことで、15万の服の弁償は管理責任不届きということで
なぜか、ぼくが弁償をした。
よくよく考えると、僕の誠意を見せても、いい解決法ではなかった」

問題は、誰が盗ったか?という疑問であった。

大阪方面の店、近隣の店などいろいろ、聞いて見ると
たとえば、大阪の店のバイトのこが勤務中に財布が無くなり

何日かたち、西宮の河川敷から発見されたり
どの店もなんらかの盗難が、深夜あった。
ぼくは、数日、深夜を監視して、どうやら
すかいらーくグループのユニホームのクリーニングのバイトが
怪しいと考えた、盗難のあった日は、どの日も
納品の日。納品の時間の後、無くなる。
そのバイトを監視した。どう見てもおかしいやつ、
納品は一人でやるくせに、トラックの助手席には見張りの
女を待機させている。
ぼくは、CDを二枚、わざわざ、更衣室の棚にわすれた風におき
バックヤードの靴箱の裏に隠れた。
案の定、そいつは、CDを手に取り、バックヤードで
中を確認している。しかし、元に戻した。
僕の失敗は、そのCDの中身を抜いていたのであった。
だから、盗難しても意味が無いので戻したのであろう、
しかし、15万の弁償はぼくは腹が立ってしかたなかった。
本部の報告をすることにし、ことの経緯を書いた。
しばらしくて、担当者から℡があった。
盗る盗らない、証拠はどうのこうの、の問題は難しいが
まあ、仕事に関係ない女を載せてるのも問題だし、
そういうことがあったので、配達のバイトの管理をきちんとする
ように、伝えた。
数ヶ月経ち、納品は工場便になり、ぼくの話は通じたようだった。
しかし、その後、盗られた女の子はすぐに辞めてしまい。
盗られたであろう服を着て歩いてるのを見かけた。
どちらにしても、警察の介入をしなかったことと、盗品の確認
をしなかったことも悪いし、なにしろ、
後ろの扉はいつも開けっ放し、泥棒さんどうぞ、
というのが、全社的な問題であった。

店の中で盗難があると、本部にしてみれば一番の疑惑は店長であるし、店長は従業員を疑う。これが信頼関係を失うものだ。

営業中はバックヤードの鍵をかけ、前から出入りするのは
それから鉄則になった。

しかしながら、越水で大川原さんが財布から5万抜かれ、
ぼくも、神戸の店で3万抜かれ、
これも、ビール納品のやつが実に怪しいかった、
これも文句をたらたらぼくが本部にいうと、工場便納品になった。

考えてみると、出入りしてる業者のバイトは特にいい加減の
ところが多く、ろくなやつがいないようになった。
その昔は、みんな仕事を無くさないために必死だった、
真剣だった。






今はなき(旧)すかいらーく、その会社にぼくは費やした時間と情熱を思い出させずにいられない。

注意、このページはすかいらーく本部さま、会社さまとなんら関係のあるものではありません、


アドレス引っ越しのお知らせ
ジオシティの閉鎖により、引っ越ししますので

http://longseven.the-ninja.jp/skykarkmemory1.htm
http://longseven.the-ninja.jp/mokujisk.html ( 目次)