38. 丸亀店長時代 03

当時のすかいらーくの社員は車が好きな人が多かった。
というものの、家と店の往復、その間の通勤の時間が大事なものであった。離婚率も高い、たいてい、奥さんが愛想尽かすのがおおい、それと男の浮気である。

 ぼくが三宮時代からつきあっていていた彼女が浮気していたのは僕以外ほとんどの社員が知ってた事実。それも、
三宮の社員とつきあいだしだという。そのときの寺門店長がそれを知り、悩んでわざわざ事業部にオフィースマネジャーとなっていた高見さんに相談し、部長や他の店長にも噂がひろまり、それを知らずに、必死に働いている馬鹿なぼくを、みんなは同情し、結果、
黙っておこう、という話になった。
、ある晩、彼女から泣いて電話があり、事実を告げられ、ぼくはあまりにもショックと腹がたったので
まあ、若かったので、次の日ラスト勤務にもかかわらず
神戸まで車を飛ばした。
ぼくが、さっさと結婚しないから、仕事優先であったから
だから、早く結婚しようと考えたが、金が無かった。
遠距離恋愛で金を使い果たし、
親にも結婚したいというと、反対された。
知らない力が働いているように・・。
信じていたものが崩れ去り、精神的なショックから20数キロもやせてしまった。
みんなには、ダイエットといっていたが、食べ物がのどにとうらなかった。

その春、丸亀に店長として戻ってきて、
今田さんが、すかいらーくの社員を目指し、アカデミーにゆくことになった。社員有志で金を出し合い、東京行きの飛行機の切符をプレゼントし、当日、高松空港まで送りに行った。1年前に看護しにならない、といったことを
思い出していた。
ずっと乗っていたスポーツカーが11万キロになり、
車を乗り換えることにした。
結婚しようと貯めていた四国銀行の定期を解約し
ローンでセダンの新車を買った。

店長面接が毎月あり、
その日も部長と面接がある予定、
いきなり、憔悴仕切った顔で部長が現れた。
「もう、末期的だ、観音寺は、限界だ・・。社員の江島が
泣いてさ・・。訴えるんだよ!」
ぼくは、社員の他のものから聞いていて観音寺の惨状
を知っていた。

「ぼくが行きますよ!」
「ああ、そうしてくれるか、あそこは若い力、君のようなのが
いったほうがいい」
一発で決まった。
「それと、お願いがあります、社員の松尾をつれていっていいですか?あいつのカードの借金がそうとうあるので
僕が引っ越しして彼奴の管理をします。それと
社員の寮みたいなもので、そこを作り、すまわせます。
それでもいいですか?」
「いいけど、一応、人事にも確認とるから・・」

と、いうことで、来週から観音寺に異動。
観音寺の店長と交代で、安泰な丸亀にきてもらう、
が、本心では、丸亀も人がいなくなるだろう、
そう、感じた。

メンバーのみんなに1人づつ、異動を伝えた。
フロアーのリーダーの女の子は
涙を流して悲しんでくれた、蔭山さんという子だった。
オープンメンバーであり、よく働いてくれた、
みんなから好かれていた。






今はなき(旧)すかいらーく、その会社にぼくは費やした時間と情熱を思い出させずにいられない。

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