69. 衛生検査人との戦い

GWが、10日間続く年だった。
2人体制になり、トップはぼくに
生産性を上げるには、一気で朝スタンバイしかない。
丸SVの何年か前のしばきにより、朝は5時過ぎに
ぼくが早く来てやってるもんだから、
もう1人の高校中退の女の子も早く来だした。

店の近くには野球場がたくさんあり、草野球チームが
たまに団体でモーニングに来られる。
それがあるとないとではえらい違い。

スタンバイどころではなくなる。
早起きは5時過ぎ、5日ぐらいになると
だんだん疲れてくる、ディナーが回るかどうかで
8時9時までは上がれない。

「衛生検査でーす!」
若い兄ちゃんが突然現れた。

ぼくは内心こんな時に検査くるなよ!
と、思った。
ある店長が、少し前、同じような時にこられて
文句を言って帰らせた、と、聴いていたので
ぼくも、文句を言おうと思っていたが・・。

現れた姿を見て驚いた、革靴で、ひげそってない、
ぼくはいきなりの姿で注意した。
「検査するなら上履きか、コックシューズ履くのが常識でないか」
「そんなひげずらで、身だしなみもできてないのか?」
「こんな時期に検査というのも非常識でないか?」

彼は驚いた様子で、戻り、上司に℡を始めた。
「検査するな、というんですよ」
ぼくは、後ろでききながら、キッチンのスタンバイもしないと
いけないし、オーダーもはいるし、
「すいません、℡変わってくれと、いうんです」

僕が変わると相手の偉いさんは
「GWでも平日でも同じです、検査させますから・・」
と、いわれた。

衛生検査というのが一年に一回あり、100点満点で行われ。
ありとあらゆる検査を行う、一番危ないのがダスター管理であった。
そんなことは百も承知で、しかし、このダスター管理のマニュアルという
ものが店では存在せず、広島からぼくなりにきちんと作っていた。
問題は保管されているダスターが、綺麗に洗われて
30分以上の煮沸をし、雑菌を減らしているか否かであった。
ルールについては、省く。
GW期間中、ダスターを前半後半で交換するのだが
それができず、保管すべきダスターがなかった。
ない場合は、手順に従い、ダスターを名目上
洗浄煮沸するのだ。
ぼくは、言われたとおりに行った。邪魔くさいが・・。

昼前に検査は帰り、彼はどぼとぼと帰っていた。

今、考えると、僕も実に大人げないことをしたと反省している。

それから、再び、話が大きくなり、営業本部長まで話がいき、
大川原さんは、大目玉をくい、疲れ果てて帰ってきた。
「おい、おまえ、たのむよー、なんで、そんなことをいうんだ」

ぼくはそこまで話がでかくなるとはつゆしらず。
再び、本部での悪名がひろがったのか・・。凹んだ。
何週間かたち、その上役はうちの店にわざわざ来て
ご飯を食べて帰って行き
嫌みの℡をしてきた。
「お宅の店のフロアーどんくさいですね、ぜんぜんなってない・・」
心底腹が立った、報復か・・。
これ以上ことを大きくすると再び大川原さんに迷惑がかかるので
適当にあしらった。

それから数ヶ月、その無精ひげの検査人は飛ばされた
営業に回された、尼崎立花で研修を始めた。
ひどいもんだ、と、思った。
立花の、佐々店長は
「おさたにさんが、ひどいこというから、彼奴かわいそうに・・」
ぼくは、内心すまないとおもったが、

オイ待てよ、、
それはおかしいのではないか、
たしかに、GWの10日間現場は必死で利益を出すために
努力してる、それを、きちんと躾もしていない人間を
よこし、挙げ句の果てに、店に報復し、そいつをトバスなんて・・。

酷すぎないか、
話せばわかるだろ・・。

しかし、ぼくは会社への信頼感を全くなくしつつあった。
大きな声でより上の立場の人間が声をあげたほうが強いんである。

案の定、数年ののち、何回も衛生問題を起こしたすかいらーく。
しかも、ほとんど工場で起こしてる、お膝ものとで・・。
要するに仕組みや名目で検査しても
魂が困ったもので無いのだ・・。






今はなき(旧)すかいらーく、その会社にぼくは費やした時間と情熱を思い出させずにいられない。

注意、このページはすかいらーく本部さま、会社さまとなんら関係のあるものではありません、

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