25. 五日市の話05

彼は、とぼけて、知らない、それで終わりだった。
しかし、その噂はどんどんひろまり、主婦は辞めてしまった。
事実をランチメンバーに告げて、
ランチメンバーの反応は二つで、うらやましい。子供がかわいそう。
かわいい、女のおこさんが2人居た、旦那さんは堅い仕事。
お見合いで、旦那様は帰ってきても、当時はやりつつあった
テレビゲームに夢中。会話がないということ、
まあ、フリン問題は、そういうことだった・・。
ぼくにとっては、驚くべきことだし、許しがたいと思った。
数年たち、ふたりは結婚し、山本も退社した。

ぼくといえば、相変わらず、スポーツカーを飛ばし、遠距離恋愛で相当疲れていた。早く関西にかえしてくれないか、そればかり考えていた、関西から来た広島オープンのメンバーは
どんどん関西に帰りつつあり、新規の店もストップした。
大芝の真鍋さんは、すぐに九州の新店に異動に成り、
あとには、抜擢でなぜか、寺坂先輩が大芝の店長になった。
観音本町には斉藤さんがいて、同期の西川もいて、あのとき三国周辺にいたものが広島にいた。

ぼろぼろの店だったが、一年を過ぎるあたりで安定してきた。三宮で躾には苦労したので、
控え室ルールや、遅刻などのルール、
仕事には5分前に入り、入り作業を行う、上がって45分以内に帰宅することなど、厳しく厳しくした、それが耐えれないというので辞めたやつもいたが、ぼくは、そういう伝統や風土というものが新店の時に築き上げないといけないと思い。
厳しくした。

しかしながら、モラルの低い、ようするにやる気があるのか無いのかわからないバイトも数名居た。
それらは、初代店長の息のかかった子たちが多く、
甘やかされているのか、
「もう、辞めたい」を連発する高校生の女の子。
「辞めたかったら辞めたらええやろ」
とぼくが言うと、店長が辞めさせてくれないの・・。
とか、ほざく、なんで、こんな子を引っ張るのか
訳のわからない連中も他に数名いた。
あるとき、OLをしながらバイトしていた新人のフロアーの
ひとが、突然仕事を放棄して。
「もう、こんな仕事はできません!」
と、逃げ出した。ぼくは、そんなことしたら、
あとで後悔しますよ、なんで、なにかあったんですか?
と、聞いても無視し、さっさと、帰ってしまった。
そのやる気の無い高校生の女の子に
事情を聞くと、なにか、注意したらしい
注意するほどのものでもないのに
高校生にえらそうに注意されたので頭にきたのか、
本人が短期だったのか、
ぼくが、すかいらーくでいて、
そのように仕事場半ばで突然切れて帰るのは
三回あった。
そのやる気の無い高校生の女の子は、店長がかわり
辞めてくれた、雰囲気の悪いやつだったので
せいせいした、

バイトの大学生も、僕の最初の厳しさと、少し立ってから、の変わりようには驚いた。ころっと、変わる。といっていた、
だから、新人にも、彼がフォローしたりして安定しつつなった。
しかしながら、今も思い出すが、新店の苦労は並大抵ではなく、三宮で三次SVにいったことばを反省していた。
思い出深い女の子が居て、
その子は、お母さんが離婚し、母子ホームから通っていた。
常にぎりぎりで店に来て、二月に一度の検体を必ず遅れてだすかださない、ぼくは、今度ばかりは絶対に出せ、と、説教をたれ、学校行く前に、店の駐車場の散水栓のなかにいれておけ、というと、きちんと、入れていた。
口癖は、「私の家はない、母子家庭だから・・・」
というものであった、反面ぼくはすごく同情していた、
なんで、離婚したのか知らないが、不倫で離婚して、犠牲者は子供だ。
しかし、ぼくの気持ちは甘かったのかもしれない。
前川さんが僕よりもすぐに異動し、ぼくは三人目の店長を迎えることとなり、なんと、寺坂先輩が次の店長としてきたのだ。そして、僕もそのあと異動してしまったのだが、
なんと、寺坂店長は、その女の子を首にしてしまった。
「なんで、くびにしたんですか?」
ぼくが文句を言うと・・
「なんでもかんでも、私は母子家庭だから・・というから
怒ったのだ!母子家庭の家庭は他にもいくらでもある、そんなことを言い訳にするな!」
と、言ったら、泣いて辞めたのだ。

ぼくは、その話を聞いて、複雑だった。
寺坂先輩は、自分に優しくひとに厳しく、でも、
考えてみると、ぼくはいつまでもその店に居れるわけでもなく
いつまでも、面倒をみれるわけでもない。
彼女の言いぐさはひどかった、というか、かわいそうだった。
たぶん、母親の影響で、そう言い続けるのは母親だったのだろう。
バイト代で、妹の小遣いをあげ、自分の学費のたしに
したりと、がんばっていたのだが、
一番の教育は、寺坂さんのきつい言葉だっだろう。
ぼくが注意してあげていればよかった。

この項終わり。








今はなき(旧)すかいらーく、その会社にぼくは費やした時間と情熱を思い出させずにいられない。

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