SBS と 自己啓発

      入社した頃に、よくいわれたのが、
     「レポートをだしたか?レポートをかいたか?」

と言われるものだった。そのレポートとは、会社が自己啓発のために
すかいらーくビジネススクール という通信制の勉強を行うもので、
チェーンストア理論や店舗における様々なものをレポートを書かせ
一年に何回かエリアで研修などもおこない、これは休日利用で
これらは、自己啓発だから給与から少し天引きされていた。
まったく、その宿題(レポート)や研修を受けない社員も相当いた、
自己啓発なので強制ではなかったが、不公平でもあった。
ぼくや同期の西川などはまじめにやっていた。
ごうてんなどは、まったくしてなかったし、当時の店長たちは
やる人も少なかった。しかしながら、当時は店舗研修も営業にカンするものは
自分で覚え、そのほかのものは、誰も教えてくれることは少なく、
マネジメントは本当に自分が理解できているのかというと
見様見真似であった。
たとえば、バイトパートの面接である。
これをきちんと誰に教えてもらったか?と、考えると・・。
失敗を繰り返しながら、覚えた記憶がある、
広島で、あるとき、バイトの面接をした。
いろいろ聞いて、最後に
「日曜日はでれますか?」
と、聞いたら、あいての女性は
「でれない」と答えた。さんざん、聞いてからだから
ぼくが、それなら採用できないと、いうと、
相手は怒り出した。
「先にいえよ!」
面接前の電話で聞けばいいことを、僕のミスだった。
その言い方がすごく嫌なひとだったので、心の中では
採用しなくてよかった、と思いつつも、
どういうひとが必要か、どういうラインで、GWや年末年始はどうか、
など、あらゆることを想定しておかないといけない。
しかし、これも、おそらく、いまの状態でもできてない店長が多いと思う。

ワークスケジュールというものがあり、その日のシフト表があるのだが
それがキチンとされている店は、たいてい、いい店であった。
関西ではワースケといい、関東では、ワーク というひとが多かった。

ワースケの穴、欠員時間帯と、予想される商盛期の人員配置。
卒業などで辞める人間のあとがま、
スケジュールを作る前にある、週間スケジュール、月間スケジュール、人員計画など
そういうのがあって前提で欠員を募集する。
しかし、募集するにもいいひとがこない、こういうことが、そのビジネススクールでは教えない。
ぼくがスケジュールをかきはじめたのが、店長になってからのぶっつけ本番。
その広島の女の人に文句をいわれたのが教訓になり、まずは、
電話を受けた時点で、こちらのほしい時間帯と曜日を告げて、長期できて
とか、聞いた時点でOKなら、店舗面接するようにした。
それと、電話のやりとりの感じなども、敬語がつかえないようなひとは面接もしない。
あせって、なんでも採用すると、あとあと、大変な目にあう。
(積極性) この仕事がなぜしたいのか、仕事をする理由など、そのハングリーさや
ほんとうに続くのか、すぐに辞めたりしないか
(協調性) 学校でサークルやなにか、やっていたり、兄弟が多かったり、そういうことで
いろいろなひとと、仕事をできるか、お客さんとも社員とも協調できるかどうか、性格はあかるそうかどうか
前のバイトを辞めた理由や、他の面接はどうだったとか、
この時点でもわかる、

(堅実性) 人当たりのいいかどうか、協調性ともに、難しい判断ですが、経験あるかどうか、
調理や接客がどれだけ大変かどうか?「あなたにできそうですか?」で、直接聞いてみた。
仕事の説明と事情はたいへん必要で、理解してもらうことが大事。その上で採用したら
納得して仕事をするだろう、よくあったのが、「やっぱり、僕には向いてません」
「思ってたイメージとは違う仕事だった」と言って辞めてゆくひと、
ぼくなりの結論としては、途中で辞める人の多くは、
「嫌だから」でしかない、「嫌い」が「経済的理由」を上回るから、
僕には向いてない、イメージとは違う、といわせないために、面接の時に
きちんと仕事の説明とこういうこともあるよ、と、いうべきなのである。
それでも、したい。というなら、堅実な人間であるといえます。

もちろん、学生なら、自分の経験をもとに、学業、サークル、実家の帰省など
そして、重要なテスト休みはどうか?など、
親の了解はどうか、これは、「面接にくるのを親にいってきましたか?」「どういってましたか?」
と、聞く。しかし、ぼくの経験で数名うそをついて、許可なしに来たひとがいた、
採用して、初日に契約書を作成し、保護者の同意捺印までもらってきてもらうのに、
それまで偽造してくるひとがいた、
よほど、反対されてのだろう。
四国のある店で、どなりこまれたときがあった、たいてい、そういう親はえらそうで
ぼくらを下目に見ている。子供が偽造した、子供が希望し、世話になっているのに
「止まさせます!」と、いってくる。
ぼくも、言い返せばいいのだが、こういう、親はクレーマーと似たようなものですから
丁重に退職していただく。

こういう実務は、経験があってこそですが、よく考えると、自分も研修生などに
教えたかどうか、という反省もあるし、
クレーム処理なども、ぶっつけ本番であった。


卒業式はネストで


最初にあった、SBSはレギュラーコース、ジュニアコースとあり、
卒業したことはいうまでもない、が、卒業したからといって、
どうもなかった。それに、いつしか、それも、廃止された、いつ廃止されたかさえも
記憶にない。
新店が後半から多かったので、実に面接する機会が多かった、
オープン前の面接には100人もしたことがあり、
一度に10人もあった。そうなってくると、もう、どういう人かどうか
あとで、混乱してくる、
いい店はいい人が来るし、悪い店はひとが寄りつかない。
そして、その「いい」というイメージが、自分なりに大いに間違えであったということもやがて気がつく。

つづく


2018/03/01