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96.  夢野 12

バブル崩壊後、ガスト転換を決め、全社で構造改革を行い
徹底的にリストラを行い、現場や本部は相当荒れた。
最後の最後に経営陣たちのも天罰が下り
全部退陣、といっても、相当なお金は渡ったとおもうが、
そのへんは末端にはわからない。

前項、すかいらーくは家族のためのファミレスが
ガストは、ノーファミリーのヤンキーレストランに深夜時間帯そうとう荒れた。
1996年から1998年は全国的にも少年犯罪が多発したときでもあった。
あの低価格と、客席放置と、ドリンクバーでは
集まって当然である。
それでも退治しようとがんばる店長も居たが
そもそも、お客さんを退治しようというのは、矛盾というもの・・。
ヤンキーでもお客さん。おとなしく、普通にしていれば
それでいいのですが・・。

大川原さんが去って、新しい人が来た。
本部の関東方面以北の人事担当をしていたひとだ、
大昔は、神奈川の店でがんばっていたそうだが・・。
だいたい、ぼくはこの頃、気がつき始めた。
店長を卒業して上の部門に行ける人は、要領良い、頭切れて
人を使えて、イエスマンだが、
現場経験が短い、よって、経験が浅いからなかなか複雑な現場に
対処できにくい、ここにひとつの壁がある。
この人事担当のひとは、現場離れて相当な時間がたち
しかも、ガストをしらない。しかも、年齢がいってる。
無理を承知で、本部から現場に戻す人事があの頃多発していた。
だれがなんのためにそういうことをするのか、
目的はあったのかもしれないが、
結果としては、現場に潰されるしかないのであった。
この上司も体を壊し、入院し、数ヶ月は担当者なしで
物事が進められた。

接客生産性という指標が、あり、
要するに適切に人件費を使っているかどうか
無駄にしていないかどうかであるが、これには相当厳しかった。
ずっと、文句を言われるのである。
しかしだ、ぼくがこのあと、会社を辞めてからわかるのだが
人件費ほど高いコストはない、自分の財布で払うのなら
無駄はしないだろう。そこが盲点。

それが施策で、総時給単価とか、わけのわからない数値が指標と
なっていった。
この説明をその元人事担当をするのだった。
他の店長は、やっと、生産性から逃れられる
とか、言ってる人も居たが、なんのことはない、
本質は同じなのである。

ガスト転換、その後のガスト落ち込み、
その後のブラッシュアップで、持ち直し、
ガストの方向性は闇の中であった。
会社もイエスタディが結果不成功に終わり
すかいらーくガーデンや、すかいらーくグリルなどの高価格の店を
出し始めた。
まだ、すかいらーくブランドは少なからず残っており
他の資本家からすれば方向性が模索であると思えただろう。

話が夢野にもどるが、部長が替わろうが、他に店ができようが
忙しさはあいかわらず、
神戸市一番の巨大墓地があるので、8月はお盆終わるまでは
地獄の日々が続く、
とにかく、フロアーがたいへんで、メンツも少なく、まともな訓練も放置で
回すだけ野営業。

あるとき、昼過ぎ、一家揃って、食い逃げされた。
食い逃げ家族である。

しかし どうみても食い逃げするような感じではなかった。
「客席を見ていれば、食い逃げなんかされないだろ!」
と、いったものの、
なんのための労働か、がっかりした。
しかし、翌日も来たのだ。
実は食い逃げというのは現行犯でしかも、その罪は窃盗で
複雑で困難な犯罪でもあるのだ。
まず、証拠というものがない。
まだ、監視カメラもなかったのだ。
ぼくは、注意してみているように、フロアーにいうと
30分して、
ヘルプの社員が
「また、やられました、トイレに順番にいって、最後に子供を残して
他の人に交じって逃げました」

2日続けて食い逃げされる。こんな馬鹿なことはあるか・・。
たぶん、最初からやろうと決めてきたのだろう。
店の構造もトイレの位置が死角で
しかも、入り口レジの混雑もすごすぎた。

ドリンクバーの商品は盗んで帰る。まわし飲みする。
そういうのも相当多かった。
まだまだ、クレームは起こり、店のバイトは採用できず
監査なんか、しるか、のような状態だった。
以前の問題だ