震災後の立て直しのために夢野にいったが、
すぐに立ち直ったかのように思えたのであったが、M事件での崩壊が
尾を引いていた。やはり、隠された問題、根が深いものがある。

目下の課題は
1. ガストならではの高生産性の達成、人件費率の抑制。
2. 安定した人員確保。
3. きちんとしたサービスと調理。
4. 深夜の暴走族、ヤンキー対策。
5. 監査の合格。
6. 2M体制へ

夏までの営業はぼろぼろで、ディナータイムが欠員であったために
採用しては辞め、の繰り返しであった。
とにかくでかいフロアー、段差のあるフロアー
これを回すのは大変であった。
日曜日のメンバーはM事件以降、連鎖的にモラルのひくいのがやめてしまい
荒れた営業であった。
そんななか、ドリンクバーのグラスが汚い、
というお客さんがいた。
もうそのグラスはすぐに休止されたのだが、そとが
汚れたようにみえ、磨いても同じだった、磨く時間も無いが
フロアーの女の子が、二回取り替えて持って行っても怒りが収まらないようで
店長をだせ、名刺をだせ、と、騒ぎ出した。
丁重に謝るも、そのまま帰り、あんの上、本部のほうに電話。
次の週に謝りに家まで行くことになった。
しかしだ、グラスは外見は汚れて見えても中身は綺麗で
店舗が悪いのでは無く、そのグラスを採用したやつが悪いのである。
大川原さんとともに、家まで謝りに行った。
その前に、喫茶店でふたりで入り、話をした。
「おまえな、なんとか、して、びしっと決めろよ」
具体的でない言葉に、返す言葉はなかった。
ぼくは、びしっとできる状況以前の問題を痛感していた。
「今回も初期対応がまずかったんじゃないか・・」
「でも、あのグラスはよくないですよ・・」

ふたりで謝りに行き、率先して大川原さんは言葉にして謝ってくれた。
ぼくは、その後ろ姿をみて、というか、そういう機会はなかったので
大川原さんを尊敬した。

夏に欠員したまま迎え、何日かヘルプが来た。
8月のお墓参りラッシュはすごく1000名がずっと続いた。

後日談として、このクレームの人とはまた出くわすことになる。
それも、辞めたあと、自分が店をやり出してからだ。
相手はまさかぼくとは気がついていなかったが


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