82. 5時閉店の人材確保の困難さ

社員が河本から北井さんという人に変わった。
河本の失踪はその後起きたが、前に述べたから割愛。
大川原さんから、「こいつ面倒みてくれ」
といわれ、またもや、どうしようもない社員がやってきた。

ガストはすかいらーくほど人が必要ないシンプルなシステムなので
スケジュールも薄い、しかし、薄くても人は必要。
ナイトのキッチンのオープンメンバーはぞくぞくと
卒業で辞めていき、

人材がいなくなった、思えば、オープンの時から
深夜のひとは採用できない、田舎のまちだ。
ましてや5時閉店というとほうもない時間、
夜中の2時から5時なんて・・。

メンバーから、いろいろ北井さんの変な行動報告があがってきた。
体を触るとか、洗い場でのこりものを食べてるとか・・

よくよく話をすると、入社前のときに
北井さんは同期で受けていたという。しかし、彼は
その後、内定を蹴って、違う会社にいき、
そこも辞めた、そして、やっぱり、すかいらーくに入ったという。

瑞穂のオープンのときもヘルプにきたという、
憶えていなかった。

仕事はできなかったが、ひとのいいおっさんといった感じだった、

ナイトのフロアーの募集をして、二人しか面接こなかったが
二人とも採用した。
北井さんに訓練をお願いしたが、いきなり、レジを教えていた。
ナイトのレジは恐ろしい・・。
知らないところで、毎日5000円マイナス3万マイナス
そのたびに、彼は朝、銀行にいき、自分の金を下ろして
入金額を合わしていた。
とうとう、それをぼくにいい、
「それは、あいつらが盗んでるからだろう・・。」
しかし、二人とも泥棒か、・・。なんで、もっと早くいわないなか・・。

ぼくは、とりあえず、別々に新人2人に電話して
金が足りないからしらないか?と、聴いた。
知らないというのは当然で、ねちねちと、責任は感じないのか
なんで、足らないないのか、を、えんえん話した。
「どうすればいいんですか?」
「どうしたらいいと思う?」
北井が自分の金を出している、とはなしもした、
釣り銭の受け渡しミスしかないよね、あくまでも盗難とはいわない。
なんで、ミスが起こるの?
で、
「じゃあ、辞めます」辞めて責任とれるの?北井は一生懸命教えて
金まで補填して、給与も払って・・。

そして辞めた。2人採用して2人とも別々に泥棒だったとは
驚くべきことだった、しかし、どうみても怪しいとか、注意してみるとか
そういうことをしない北井さんにあきれかえった。

その後、だいぶ経ってからだろうか、ぼくが
すかいらーくを辞めて、弁当屋になり、配達をしていた。
八百屋さんのお店に、その店の横が丹波屋という
お団子の店だった。
よく見ると、あの北井さんがお団子を焼いて売っていた。
「こうやって、やれば、売れるんだ!」
店の前に出てきて呼び込んでいる。
ぜんぜん、ぼくに気がつかない。声をかけるかどうか
迷ったが、やめた。

その店も潰れた。

ぼくも馬鹿などんくさい人間ですが、北井さんは
人間はおひとよしで憎めないひとでした。
お団子やとの再会、あのとき、声をかければよかったと
今も悔やみます。





今はなき(旧)すかいらーく、その会社にぼくは費やした時間と情熱を思い出させずにいられない。

注意、このページはすかいらーく本部さま、会社さまとなんら関係のあるものではありません