吉川友梨さんの父「1日も早く見つかるように気持ち切り替える」
10月5日20時47分配信 産経新聞さんから
吉川友梨さんの父、永明さん(49)は5日、傍聴席の最前列で傍聴し、終始厳しい表情で中谷浩氣被告を見つめた。
今回の事件では、永明さんら家族は、身代金などの名目で要求されるがまま、所有する土地を売却するなどして現金を工面。今年3月にがんで亡くなった父の貯金にまで手を付けた。
永明さんはこれまでの公判で意見陳述に立ち、「だまされていたことがわかったとき、頭が真っ白になった」との心境を告白。中谷被告に友梨さんの“保護”を口外しないよう言われたため、約4年間、支援者にも隠しながら捜索への協力をお願いしてきた苦しみを明かした。
一方で中谷被告は被告人質問の際、被害弁償の意思を問われると「具体的な約束はできない」と繰り返した。傍聴している永明さんらにも「今は言いたいことはない」と目を合わせることすらなかった。
閉廷後、永明さんは中谷被告の退廷を待たずに席を立ち、終始無言で裁判所を後に。報道機関には「これからは友梨が1日も早く見つかるように気持ちを切り替えていきたい」とのコメントを寄せた。
友梨さんの捜索に協力している貝塚市のNPO法人「あいうえお」代表理事の三本松義春さん(63)は今回の事件について「自分が同じ立場に立たされていたら、やはりだまされていたのではと思うとやりきれない」と語る。
今年3月31日、友梨さんの誕生日に合わせて情報提供を呼びかけるチラシを配った際、永明さんから事件について謝罪があった。5月のチラシ配りでは「友梨は中学校を除籍になっているが、見つかったときには将来のために自分が勉強を教えてあげたい」と打ち明けられたという。
同法人は今年11月にもチラシを配る予定。三本松さんは「中谷被告の卑劣さは人として許せない。これからも変わらずに家族を支援していく」と話した。